【12月中旬発売予定 / 予約受付中】
GLOCAL RECORDSレーベル部門からの最新作は、GEZAN with Million Wish Collectiveによる12inch。A面にマヒトゥ・ザ・ピーポー初監督映画【i ai(アイアイ)】のテーマ曲「i ai」を収録。B面にはCOMPUMAによる約18分にわたるリミックスを収録した注目作!現在、全国47都道府県に加え中国・上海を巡る全51公演「47+ TOUR『集炎』」を開催中のGEZAN。さらにツアーファイナルとして、2026年3月14日(土)日本武道館での単独公演『独炎』を控える中、加速する瞬間に放たれるリリースです!!
Artist : GEZAN with Million Wish Collective
Title : i ai e.p.
Label : GLOCAL RECORDS
Product Number : GR12-001
Format : 12inch
Release Date : 2025年12月中旬予定
税抜価格 : 3,500円
-Track List-
Side A : i ai (09 : 09)
Side B : i ai ‒ COMPUMA Remix (18 : 18)
ご予約はコチラから→ https://glocalrecords.com/index.php?p=85026
作品コメント :
2024年3月に公開されたマヒトゥ・ザ・ピーポーの初監督作品『i ai』は、赤い色彩に彩られた異形の青春映画であった。 舞台は兵庫の明石と神戸。主人公となる新米バンドマンのコウ(富田健太郎)と、コウが憧れるヒー兄(森山未來)を中心に、生を死をめぐるストーリー が展開される。それはマヒトの実体験を土台にしたものでもあり、現実とフィクションが二重写しになりながら、やがてその境界線はじわりじわりと融解し ていく。共演はさとうほなみ、堀家一希、吹越満、永山瑛太、小泉今日子、K-BOMB、大宮イチなど個性的な面々。写真家の佐内正史による透明感あふれる 映像がこの作品に特別な情感を与えていたことも特筆すべきだろう。 映画のセオリーに囚われることのないその作品には、「壊れゆく社会のなかで他者と関わりながらどのように生きていくことができるのか」という、近年 のGEZANの作品やマヒトの文筆活動にも共通するテーマが投げかけられていた。私たちは決してひとりで生きていくことはできない。だが、他者と生きるこ ともまた決して楽なことではない。世界の分断が極限まで進んだこの時代を私たちはどのように乗り越えることができるのだろうか? 監督のみならず、脚本や劇中音楽までマヒトが手がけたこの作品のなかで極めて強い印象を残していたのが、「i ai」と題されたメインテーマ曲だった。 GEZANの新曲でもあるこの曲は、ここ数年のGEZANの取り組みの延長上にあるもの。この12インチシングルはその「i ai」を収録しており、初のアナログ リリースとなる。 柔らかなギターのアルペジオに導かれ、少しずつ熱を帯びていくその楽曲には、静けさと激しさを内包した映画のムードが凝縮されている。言葉にならな い複数の声を束ねた合唱は、社会からこぼれ落ちた嘆きのようにも、歓喜の叫びのようにも聞こえる。GEZANは総勢15名のコーラス隊Million Wish Collectiveとの活動も展開してきたが、ここにはその活動で培われた感覚が活かされている。 また、この曲は9分8秒にわたるゆったりとしたダンストラックと捉えることもできるだろう。南米など各地で生み出されているオーガニックなダンスト ラックと共通するものがあり、世界各地のグローカルミュージックを扱ってきたGLOCAL RECORDSから、それも12インチシングルというDJフレンドリー な形でリリースされることにも意義がある。 B面にはGEZANとの縁も深いCOMPUMAによるリミックスを収録。アフリカ的なパーカッションで始まり、途中では親指ピアノなどを挟みつつ、ふたた び印象的なあの合唱へと戻る。めまぐるしく起承転結が入れ替わる、18分18秒のショート・ムーヴィー。そんなドラマチックなリミックスである。 カッティング&マスタリングを手がけたのはDJとしても活動するTOREI。アートワークを手がけたのは東京在住のヴィジュアルアーティスト/グラフィッ ク・デザイナー、jvnpey。彼らの愛情あふれる仕事ぶりもこの12インチを特別なものにしている。
「分断」という言葉の対義語をAIに問うてみると、「統合」「連結」「統一」「団結」「融和」という言葉が次々に表示された。どの言葉もどこか白々しく、 こそばゆいが、「i ai」という楽曲に鳴り響く蜃気楼のような合唱は、「分断」の対義語となる新しい言葉を探り当てようとしているようにも思える。映画 『i ai』では「エンドロールが終わった後も共に生きよう」というメッセージが投げかけられていたが、この12インチからは「音が止まったあとも共に生き よう」というメッセージが浮かび上がってくるのである。
文・大石始(文筆家)
GEZAN プロフィール
2009年、大阪にて結成。 独自の視点とスタイルで表現を続ける一方、自主レーベル「十三月」を主宰。 2021年2月、Million Wish Collectiveと共に制作したフルアルバム『あのち』 をリリース。2023年にはFUJI ROCK FESTIVALのGREEN STAGEに出演し、11月にはコ ロナ禍を経て4年ぶりとなる主催企画「全感覚祭」を、“Road Trip To 全感覚祭” と題して川崎・ちどり公園にて開催。2024年には初の中国5都市ツアーおよび台湾公演を実施。11月には、唯一無二 のブッキングで世界中から注目を集めるウガンダのNyege Nyege Festivalに出 演。2025年6月にはドイツにて開催された音楽フェス・Fusion Festivalに出 演。現在、全国47都道府県に中国・上海公演を加えた全50公演におよぶ「47+ TOUR『集炎』」を開催中。ツアーファイナルは、2026年3月14日(土)・日本武道館での単独公演『独炎』 となる。
COMPUMA プロフィール
ADS(アステロイド・デザート・ソングス)、スマーフ男組での活動を経て、DJ としては国内外の数多くのアーチストDJ達との共演やサポートを経ながら、日本 全国の個性溢れる様々な場所で日々フレッシュでユニークなジャンルを横断した イマジナリーな音楽世界を探求している。自身のプロジェクトSOMETHING ABOUTよりMIXCDの新たな提案を試みたミックス「SOMETHING IN THE AIR」シリーズをはじめ、コレクティヴ「悪魔の沼」での活動でのDJや、楽曲制 作、リミックスなど意欲的に活動。2022年には初ソロ名義アルバム「A View」 2024年には「horizons」をリリース。Berlin Atonal 2017、Meakusma Festival 2018への出演、ヨーロッパ・ラジオ局へのDJミックス提供など国外で の活動の場も広げる。一方で、長年にわたるレコードCDバイヤーとして培った経 験から、コンピレーションCD 「Soup Stock Tokyoの音楽」の他、BGM選曲 を中心にアート・ファッション、音と音楽にまつわる様々な空間で幅広く活動し ている。Newtone Records、El Sur Records所属。